この記事の要点
Anker独自のAIチップ「Thus」を初搭載し、ウルトラノイズキャンセリング4.0で前世代比約2倍の消音強度を実現した上位TWS。前作Liberty 5からノイキャン・接続性・音質処理を大きく強化した進化点と、単体再生時間や価格の違いをまとめて解説します。
完全ワイヤレスイヤホン(TWS)市場で高いコストパフォーマンスを武器に人気を集めてきたAnkerのSoundcoreシリーズから、2026年5月27日に上位モデル「Soundcore Liberty 5 Pro」が登場しました。価格は26,990円と、これまでの「Liberty」ナンバリングとしては強気の設定ですが、その中身はAnkerがこれまで積み上げてきたノウハウを一段引き上げる意欲作となっています。
本モデル最大のトピックは、Anker独自開発のAIチップ「Thus」を搭載した点です。音の処理やノイズキャンセリングの制御をAIが担うことで、従来の同社イヤホンとは一線を画す消音性能と音質補正を実現しています。ウルトラノイズキャンセリング4.0は前世代比で約2倍の消音強度とされ、Anker史上最強クラスをうたう仕上がりです。
この記事では、Liberty 5 Proの基本スペックを整理したうえで、前作にあたる「Liberty 5」との違いを比較表で明確にし、主な特徴・メリット・デメリット、そして一般的なユーザー評価の傾向までを丁寧に解説していきます。音質やノイキャンの効き、装着感、通話品質、アプリ機能、そして価格上昇に見合う価値があるのかという視点まで踏み込んで検証しますので、購入を検討している方の判断材料にしてください。
まずはAnker Soundcore Liberty 5 Proの主要スペックを一覧で確認しておきましょう。上位機らしく、ドライバー構成からコーデック、接続規格まで各所に力が入っています。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ドライバー | 9.2mmダイナミックドライバー+デュアル低音補強ダクト |
| 音質処理 | AIサウンド補正、Dolby Atmos最適化 |
| AIチップ | Anker独自開発「Thus」AIチップ搭載 |
| ノイズキャンセリング | ウルトラノイズキャンセリング4.0(前世代比 約2倍の強度) |
| 対応コーデック | LDAC / AAC / SBC |
| Bluetoothバージョン | Bluetooth 6.1 |
| マルチポイント | 最大3台同時接続 |
| 防水性能 | IP55 |
| 連続再生時間(ANCオン) | 単体 約6.5時間 / ケース併用 約28時間 |
| 価格 | 26,990円(税込) |
| 発売日 | 2026年5月27日 |
上位に位置づけられる「Liberty 5 Pro Max」も同時期に用意されており、こちらは36,990円で1.78インチAMOLEDディスプレイを備えたケースやAI文字起こし機能を追加しています。標準のLiberty 5 Proは、そうした付加機能を省きつつ、音質とノイキャンというイヤホン本体の核となる性能に集中したモデルと位置づけられます。
前作「Liberty 5」と本モデル「Liberty 5 Pro」では、名称こそ近いものの中身の方向性がはっきり異なります。以下の比較表で主要な違いを整理しました。
| 項目 | Liberty 5 Pro | Liberty 5 |
|---|---|---|
| AIチップ | 独自AIチップ「Thus」搭載 | 非搭載 |
| ノイズキャンセリング | ウルトラノイズキャンセリング4.0 | 3.5世代 |
| Bluetooth | 6.1 | 5.4 |
| マルチポイント | 最大3台 | 2台 |
| 連続再生(ANCオン・単体) | 約6.5時間 | 約8時間(Proより長め) |
| コーデック | LDAC / AAC / SBC | LDAC / AAC / SBC |
| 価格 | 26,990円 | 14,990円 |
こうして並べると、Liberty 5 ProはANC性能・接続の安定性・同時接続台数・音質処理といった「体験の質」を大きく引き上げたモデルであることがわかります。一方で、単体でのANC再生時間はLiberty 5のほうがやや長く、バッテリー持ちを最優先するなら前作にも依然として明確なメリットがあります。約1万2千円の価格差をどう捉えるかは、AIチップによる音質・消音の進化にどれだけ価値を感じるかで変わってくると言えるでしょう。
Liberty 5 Pro最大の特徴は、Anker独自開発のAIチップ「Thus」を搭載したことです。このチップが音楽再生時の音質補正とノイズキャンセリングの制御を統合的に担い、従来はDSPの固定処理に頼っていた部分をAIが動的に最適化します。
これにより、環境音の種類や耳の装着状態に応じて処理をきめ細かく調整できるようになり、同じ楽曲でもより破綻の少ない自然な鳴りを引き出しやすくなっています。ハードウェアの物量だけでなく、処理の賢さで音を作るという方向性は、上位機ならではの設計思想と言えます。
ノイズキャンセリングは最新世代の「ウルトラノイズキャンセリング4.0」を採用し、前世代比で約2倍の消音強度とされています。Ankerはこれを自社史上最強クラスと位置づけており、電車や飛行機、オフィスの空調音といった低〜中域のノイズに対して高い効果を発揮します。
AIチップと連携して環境を解析し、状況に合わせた消音制御を行う点も強みです。単に強くかけるだけでなく、必要な場面では外音取り込みへスムーズに切り替えられるため、日常のさまざまなシーンで扱いやすい設計になっています。
音の土台となるドライバーには9.2mmのダイナミックドライバーを採用し、さらにデュアル低音補強ダクトを組み合わせています。この構成により、TWSでは不足しがちな低域の量感と沈み込みをしっかり確保しています。
低音が豊かでありながらAIサウンド補正によって中高域とのバランスが整えられているため、ロックやEDMのような低域重視のジャンルから、ボーカルの表現力が問われる楽曲まで幅広く対応できます。
コーデックはハイレゾ相当の伝送が可能なLDACに対応し、対応スマートフォンと組み合わせることでワイヤレスでも情報量の多い再生が楽しめます。加えてDolby Atmosの最適化にも対応し、対応コンテンツでは立体的で広がりのある音場を再現します。
音楽だけでなく映画やゲームなど、空間表現が重要なコンテンツでも臨場感を得やすいのは、上位機として押さえておきたいポイントです。
接続規格には最新のBluetooth 6.1を採用し、接続の安定性や省電力性の面で有利になっています。さらにマルチポイントは最大3台まで同時接続に対応します。
スマートフォン・タブレット・PCといった複数デバイスを日常的に使い分ける人にとって、3台まで登録できる点は非常に実用的です。前作の2台から1台増えたことで、切り替えのストレスが減り、仕事とプライベートをまたいだ運用がしやすくなっています。
本体はIP55の防水防塵性能を備えており、汗や小雨、細かなホコリに対する耐性があります。ワークアウト中の汗や、通勤時の突然の雨といった場面でも安心して使いやすい仕様です。
完全な防水ではないため水没には注意が必要ですが、日常使いやライトな運動用途であれば十分な保護等級を確保しています。
最大のメリットは、やはりウルトラノイズキャンセリング4.0による強力な消音性能です。前世代比約2倍とされる消音強度は、騒がしい通勤電車やカフェ、オフィスといった環境でも音楽や動画に集中できる静けさをもたらします。
AIチップと連携した制御により、状況に応じた最適化が働く点も見逃せません。ノイキャン目当てでこのクラスを選ぶ人にとって、有力な候補になりうる完成度です。
独自AIチップ「Thus」による音質補正は、価格に見合う価値を感じやすいポイントです。AIサウンド補正がジャンルや装着状態に応じて音を整えることで、イコライザーを細かくいじらなくても満足度の高い音が得られます。
9.2mmドライバーとデュアル低音補強ダクトのハードウェアと、AIによるチューニングが噛み合うことで、量感と解像感を両立した鳴りを楽しめます。
最大3台のマルチポイント接続は、複数デバイスを併用する現代的な使い方に非常にマッチします。スマホで音楽を聴きながらPCの通知音を逃さず、タブレットへもすぐ切り替えられるといった運用が快適に行えます。
前作より接続台数が増えたことで、日常のあらゆる場面でシームレスに使える点は実用上の大きな利点です。
高音質コーデックLDACとDolby Atmos最適化への対応により、ワイヤレスでも妥協の少ないリスニング環境を構築できます。ハイレゾ音源や立体音響コンテンツを楽しみたいユーザーにとって、対応フォーマットの幅広さは大きな魅力です。
対応機器と組み合わせれば、この価格帯としては上質な音楽・映像体験が得られます。
最新のBluetooth 6.1を採用したことで、接続の安定性や省電力性の面で恩恵を受けられます。人混みなど電波が混雑しやすい環境でも途切れにくく、ストレスの少ない再生が期待できます。
長く使う機器だからこそ、最新規格を採用していることは将来的な安心感にもつながります。
Soundcoreアプリと連携することで、イコライザー調整やノイキャンモードの切り替え、タッチ操作のカスタマイズなど、細かな設定を自分好みに追い込めます。Ankerはアプリの更新やサポート体制にも定評があり、購入後も安心して使い続けやすい点はメリットです。
AIチップ搭載機ならではの設定項目も含め、使い込むほど自分に合った状態へ調整していける拡張性の高さが魅力です。
ANCオン時の単体連続再生は約6.5時間とされ、前作Liberty 5の約8時間(ANCオン時はProより長め)と比べると短めです。ケース併用で約28時間をカバーできるとはいえ、一度の充電で長時間使いたい人にはやや物足りなさを感じる場面があるかもしれません。
高性能なAIチップや強力なノイキャンを駆動する分、消費電力の面ではトレードオフが生じていると考えられます。
Liberty 5が14,990円だったのに対し、Liberty 5 Proは26,990円と約1万2千円の価格上昇があります。ナンバリングの近さから前作の後継として捉えると、価格差に驚くユーザーもいるでしょう。
AIチップや最新ノイキャンといった中身を考えれば妥当な設定ではあるものの、コスパ重視でAnkerを選んできた層にとってはハードルが上がった印象は否めません。
防水防塵性能はIP55で、汗や小雨には対応するものの完全防水ではありません。水没や強い水流にさらされる用途には不向きで、激しいスポーツやアウトドアでハードに使いたい場合は取り扱いに注意が必要です。
日常使いであれば十分な等級ですが、用途によっては物足りなく感じる可能性があります。
同時期に発売されたLiberty 5 Pro Maxは、AMOLEDディスプレイ搭載ケースやAI文字起こし機能を備えています。こうした先進機能に魅力を感じると、標準のPro側では物足りなさを覚えることもあるでしょう。
価格差は1万円あるため悩ましいところですが、付加機能を重視するかどうかで満足度が分かれる点はデメリットとして挙げられます。
ここでは、この製品に対して一般的に寄せられやすい評価の傾向を、ポジティブ・ネガティブ両面から整理します。あくまで一般的な傾向としての紹介であり、実際の感じ方には個人差がある点はご留意ください。
Anker Soundcore Liberty 5 Proは、独自AIチップ「Thus」とウルトラノイズキャンセリング4.0を核に、Ankerの完全ワイヤレスイヤホンを一段引き上げた上位モデルです。前世代比約2倍とされる強力なノイキャン、9.2mmドライバーとAIサウンド補正による質の高い音、そして最大3台のマルチポイントやBluetooth 6.1といった充実の接続性まで、体験の質を高める要素がバランス良くまとまっています。
一方で、単体の連続再生時間が前作より短いことや、Liberty 5から約1万2千円上昇した価格は、購入前に納得しておきたいポイントです。バッテリー持ちやコストを最優先するなら前作Liberty 5も依然として魅力的な選択肢であり、より多機能を求めるなら上位のPro Maxという道もあります。
総じて、ノイズキャンセリングの強さとAIによる音質の底上げに価値を感じるユーザーにとって、Liberty 5 Proは価格上昇分に見合う進化を遂げた一台と言えます。静かな環境で上質な音楽体験を求める方は、有力な候補として検討する価値があるでしょう。
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