NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIは、Nikonが2026年2月24日に発表した大口径望遠ズームレンズで、クラス最軽量となる約998gを実現しながら卓越した描写力と次世代の高性能AFを両立した一本です。
前作NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sから、約26%の大幅な軽量化、Silky Swift VCMによるAF速度約3.5倍の高速化、6.0段の手ブレ補正など、光学設計からメカニカル設計まで全面的にリニューアルされています。
本記事では、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIの基本スペック、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sとの違い、主な特徴、メリット・デメリット、ユーザー評価まで詳しく解説していきます。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 焦点距離 | 70-200mm |
| 開放F値 | f/2.8(ズーム全域) |
| 最小絞り | f/22 |
| レンズ構成 | 16群18枚 |
| 特殊レンズ | スーパーEDレンズ、非球面EDレンズ、EDレンズ、非球面レンズ、蛍石レンズ、SRレンズ |
| 絞り羽根 | 11枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 0.38m(70mm時)〜0.8m(200mm時) |
| 最大撮影倍率 | 0.3倍(70mm時) |
| AF駆動 | Silky Swift VCM(SSVCM)マルチフォーカス方式 |
| 手ブレ補正 | 6.0段(CIPA 2024規格準拠) |
| フィルター径 | 77mm |
| サイズ | 最大径約90mm × 長さ約208mm |
| 重量 | 約998g(三脚座リング除く)/ 約1,180g(三脚座リング装着時) |
| 防塵防滴 | 対応 |
| 対応マウント | ニコンZマウント(FXフォーマット) |
| テレコンバーター | TC-1.4x / TC-2.0x対応 |
| 価格 | オープンプライス(米国価格 $3,199.95) |
| 項目 | NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S II | NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S |
|---|---|---|
| レンズ構成 | 16群18枚 | 18群21枚 |
| 絞り羽根 | 11枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 0.38m(70mm時) | 0.50m(70mm時) |
| 最大撮影倍率 | 0.3倍 | 0.2倍 |
| 手ブレ補正 | 6.0段 | 5.5段 |
| AF駆動 | Silky Swift VCM | STM |
| サイズ | 約90mm × 208mm | 約89mm × 220mm |
| 重量 | 約998g | 約1,360g |
| 三脚座 | Arca-Swiss互換対応 | 従来型 |
| コーティング | メソアモルファスコート+アルネオコート | ナノクリスタルコート+アルネオコート |
| 価格(米国) | $3,199.95 | $2,899.95 |
最も大きな進化は、約26%・362gの大幅な軽量化、Silky Swift VCMによるAF速度約3.5倍の高速化、そして最短撮影距離0.38mへの短縮です。光学設計を全面的に見直し、レンズ構成を18群21枚から16群18枚に最適化しながらも、新採用のスーパーEDレンズや非球面EDレンズにより描写力を向上させています。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIは、70-200mm f/2.8クラスの望遠ズームレンズとしてクラス最軽量の約998gを実現しています。前作の約1,360gから約362g、約26%もの大幅な軽量化を達成しました。
光学設計の見直しにより、レンズ枚数を21枚から18枚に削減しつつ、蛍石レンズやスーパーEDレンズなどの高性能硝材を効果的に配置することで、軽量化と高画質を両立しています。全長も220mmから208mmへと12mm短縮され、よりコンパクトな取り回しが可能になりました。
新開発のSilky Swift VCM(SSVCM)をAF駆動に採用し、前作比で約3.5倍の高速AFを実現しています。さらに、ズーミング中のAF追従性能も約40%向上しており、焦点距離を変えながらの撮影でも正確にピントを合わせ続けます。
静粛性にも優れており、動画撮影時にもAF駆動音が気になりません。スポーツや野生動物など動きの速い被写体にも対応する、プロフェッショナル向けの高精度AFシステムです。
CIPA 2024規格に準拠した6.0段分の手ブレ補正効果を実現しています。前作の5.5段から0.5段の向上で、画面中央だけでなく周辺部まで均一な補正効果を発揮します。
200mm望遠端でもスローシャッターでの手持ち撮影が可能となり、屋内スポーツや薄暮の撮影シーンなど、三脚を使いにくい状況でもブレのない安定した撮影ができます。
70mm時の最短撮影距離が前作の0.50mから0.38mへと大幅に短縮され、最大撮影倍率も0.2倍から0.3倍へ向上しました。望遠ズームレンズでありながら、被写体にぐっと寄ったクローズアップ的な撮影が可能です。
花や小物の撮影はもちろん、ポートレートで目元にクローズアップするなど、表現の幅が大きく広がりました。望遠域の圧縮効果と近接撮影のダイナミックさを一本で使い分けられる点は大きな魅力です。
前作の9枚から11枚に増えた円形絞り羽根により、より円形に近い美しいボケを実現しています。絞り開放から少し絞った際にも、点光源が角張ることなく滑らかな円形ボケが得られます。
大口径f/2.8の開放値と11枚絞りの組み合わせにより、被写体を浮き立たせる立体感のある描写が可能です。ポートレートやイベント撮影など、ボケ味が重視される撮影シーンで真価を発揮します。
新採用のメソアモルファスコートとアルネオコートの組み合わせにより、逆光時のゴーストやフレアを効果的に抑制しています。前作のナノクリスタルコートからさらに進化し、強い光源が画面内に入る厳しい撮影条件でもコントラストの高いクリアな描写を維持します。
屋外スポーツやウェディングなど、光環境をコントロールしにくいシーンでも安心して撮影に集中できます。
NIKKORレンズとして初めてArca-Swiss互換のプレートを内蔵した三脚座を採用しています。Arca-Swiss対応の雲台であれば、別途プレートを取り付けることなく直接マウントでき、三脚へのセッティングがスムーズに行えます。
三脚座リングは着脱可能で、手持ち撮影時には外して約998gの軽量さを活かせます。三脚座装着時でも約1,180gと、前作の三脚座なし重量(約1,360g)よりも軽量です。
TC-1.4xおよびTC-2.0xのテレコンバーターに対応しており、TC-1.4x装着時は98-280mm f/4、TC-2.0x装着時は140-400mm f/5.6として使用可能です。
大三元レンズとしてのf/2.8の明るさと、テレコンバーターによる望遠域の拡張を一本で賄えるため、スポーツや野生動物撮影でのレンズ交換の手間を減らすことができます。
約998gというクラス最軽量の重量は、長時間の撮影や移動の多い撮影で圧倒的なアドバンテージとなります。前作から約362g軽くなったことで、手持ち撮影時の疲労が大幅に軽減されます。
Silky Swift VCMによる約3.5倍のAF高速化により、スポーツや野生動物など動きの速い被写体でもピント合わせの精度と速度が格段に向上しています。シャッターチャンスを逃さない実用的な進化です。
70mm時に0.38mまで寄れるため、望遠ズームでありながらハーフマクロ的な撮影も可能です。花やアクセサリーなどの近接撮影にも対応でき、レンズ交換なしで多彩な表現を楽しめます。
6.0段の手ブレ補正により、望遠域でもスローシャッターでの手持ち撮影に対応します。三脚なしでの撮影が増えることで、撮影のフットワークが軽くなります。
9枚から11枚に増えた円形絞り羽根により、より滑らかで美しい円形ボケが得られます。ポートレートやイベント撮影でのボケ味が向上し、作品のクオリティアップにつながります。
三脚座にArca-Swiss互換プレートを内蔵しているため、別途クイックリリースプレートを用意する必要がありません。三脚への着脱がワンタッチで行え、撮影準備の時間短縮に貢献します。
レンズ各部にシーリングを施した防塵防滴設計により、屋外での急な天候変化にも安心です。前玉にはフッ素コーティングが施されており、水滴や汚れの付着を防ぎます。
米国価格で$3,199.95と、前作の$2,899.95から約$300の価格上昇となっています。大幅な性能向上を考慮しても、大三元レンズとして高額な投資であることは否めません。
レンズ構成が18群21枚から16群18枚へ大きく変更されているため、ボケ味や描写の味わいが前作と異なります。前作の描写を気に入っていたユーザーにとっては、色乗りやボケの質感に違和感を覚える可能性があります。
f/2.8開放時には、周辺部にわずかな光量落ちが見られることがあります。カメラ内補正やRAW現像で対処可能ですが、完全には解消されない場合があります。大口径望遠ズームの宿命とも言えますが、気になるユーザーは絞り込んで使う必要があります。
カメラ内JPEG処理ではNikonのピクチャーコントロールにより優れた描写が得られますが、RAWファイルをそのまま現像するとやや平坦な印象になるとの指摘があります。RAW現像時にはレンズプロファイルの適用を前提としたワークフローが求められます。
三脚座リングは着脱可能ですが、リングを外した際の取り付け部がわずかに出っ張るため、完全にフラットな円筒形にはなりません。手持ち撮影時の握り心地に影響する場合があります。
海外レビューサイトやカメラ専門メディアの評価をもとに、実際のユーザーの評価傾向をまとめました。
最も多く評価されているのは、約998gというクラス最軽量の軽さです。「この種のズームレンズの中で数年ぶりに最も軽い」「グリップなしでも快適に撮影できる」という声が多く、長時間の撮影や手持ち撮影での負担軽減が実感されています。
AF性能の向上も高評価で、「AF合焦が素早くレスポンスが良い」「動きのある被写体でもシャープに捉えられるヒット率が大幅に向上した」といった報告が多く見られます。Silky Swift VCMの恩恵を実感しているユーザーが多いです。
フレア・ゴースト耐性についても、「前作の弱点だった逆光性能が大きく改善された」「メソアモルファスコートの効果を実感する」と新コーティングの効果を評価する声が目立ちます。
価格については、「前作から$300の値上がりは痛い」「すでに前作を持っている場合、買い替えるべきか悩ましい」という意見があります。ただし「軽量化とAF性能を考えれば妥当」とする声も多いです。
RAW現像に関しては、「そのままでは平坦に見える」「ピクチャーコントロールを適用しないと本領を発揮しない」という指摘があります。JPEG撮って出しでは問題ないものの、RAW現像派は注意が必要です。
前作からの買い替えの必要性については、「前作もすでに十分優秀なので、無理に買い替える必要はない」という冷静な意見も見られます。新規購入ならII一択ですが、前作ユーザーは使用状況に応じて判断が分かれるところです。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S IIは、クラス最軽量約998g、Silky Swift VCMによるAF速度約3.5倍の高速化、6.0段手ブレ補正、最短撮影距離0.38m、11枚円形絞りによる美しいボケを実現した、ニコンZマウントの最新大口径望遠ズームレンズです。前作NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sから光学設計とメカニカル設計を全面的に刷新し、あらゆる面で性能が向上しています。
軽量化によるハンドリング性の向上とAF高速化は、スポーツ・報道・ウェディングなどプロフェッショナルの現場で即座に実感できる実用的な進化です。Arca-Swiss互換三脚座やテレコンバーター対応など、運用面での使い勝手も考慮されています。
価格上昇やRAW現像時の特性など注意点はあるものの、総合的には70-200mm f/2.8クラスの望遠ズームレンズとして最高水準の完成度と言えます。
特に、軽量な大三元望遠ズームを求めるプロフォトグラファー、動体撮影の歩留まりを向上させたいスポーツ・ワイルドライフフォトグラファー、そしてニコンZマウントシステムで最高の望遠ズームを手に入れたいユーザーにおすすめです。
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