この記事の要点
Nothing Ear (3)とAirPods Pro 3を公式仕様で比較。LDACやケースのスーパーマイク、心拍数センサー、IP57、電池持ち、17,000円の価格差まで整理し、AndroidとiPhoneそれぞれに合う一台を示します。
はじめに
結論から言うと、LDAC対応の音質・通話マイク・価格を重視するAndroidユーザーならNothing Ear (3)、iPhoneとの連携や防水性能、心拍数計測などの付加機能まで求めるならAirPods Pro 3が選択肢になります。
判断の分かれ目は「使っているスマホ」と「17,000円の価格差を何に払うか」です。Androidでハイレゾ再生や通話品質を重視する人はNothing Ear (3)、iPhoneでワークアウトや翻訳などApple独自の機能を使いたい人はAirPods Pro 3が候補で、Android中心ならAirPods Pro 3の機能の多くは活かしにくくなります。
両機種は2025年9月に相次いで国内発売された、各ブランドのフラッグシップです。その後AirPods Pro 3は発売時の39,800円から現在の42,800円へ価格が改定され、公式価格の差は17,000円に広がりました。価格差が開いた今、その差額で何が得られるのかを比べる意味が大きくなっています。
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なお本記事は実機を使用したものではなく、Nothing・Appleの公式ページやプレスリリースなどの公開情報をもとに構成しています。価格は2026年10月5日時点の各社公式ストアの税込価格です。
スペック比較表
| 項目 | Nothing Ear (3) | Apple AirPods Pro 3 |
|---|---|---|
| 装着方式 | カナル型(イヤーチップあり) | カナル型(フォーム素材入りイヤーチップ、XXS〜Lの5サイズ) |
| ドライバー | 12mmダイナミックドライバー | Apple設計の高偏位ドライバー |
| チップ | 非公表 | Apple H2ヘッドフォンチップ |
| ノイズキャンセリング | アダプティブANC 最大45dB | アクティブノイズキャンセリング(AirPods Pro 2比で最大2倍の低減とAppleが公表) |
| 対応コーデック | LDAC/AAC/SBC | AAC/SBC |
| Bluetooth | 5.4 | 5.3 |
| 通話マイク | 片耳3基のマイク+ボイスピックアップユニット、ケースに「スーパーマイク」(最大95dBの雑音低減) | デュアルビームフォーミングマイク、内向きマイク |
| センサー類 | 非搭載 | 心拍数センサー、肌検出センサー |
| 防水・防塵 | IP54(イヤホン・ケース) | IP57(イヤホン・ケース) |
| バッテリー(イヤホン単体) | ANCオン最大5.5時間/ANCオフ最大10時間 | ANCオン最大8時間(聴覚補助使用時は最大10時間) |
| バッテリー(ケース併用) | ANCオン最大22時間/ANCオフ最大38時間 | ANCオン最大24時間 |
| 急速充電 | 10分の充電で最長10時間 | 5分の充電で約1時間 |
| 充電方式 | USB-C、ワイヤレス充電 | USB-C、MagSafe、Qi、Apple Watch充電器 |
| 重量 | イヤホン片耳 約5.2g/ケース 約61g(イヤホン込み約71.4g) | イヤホン片耳 約5.55g/ケース 約43.99g |
| ケース素材・機能 | リサイクルアルミニウム、TALKボタン | 超広帯域チップ(探す対応)、スピーカー内蔵 |
| 価格(税込・公式) | 25,800円 | 42,800円 |
| 国内発売日 | 2025年9月25日 | 2025年9月19日 |
出典: Nothing Ear (3) 公式製品ページ / Nothing Ear (3) 発表プレスリリース(PR TIMES) / AirPods Pro 3 技術仕様(Apple公式) / AirPods Pro 3 購入ページ(Apple公式)
Nothing Ear (3)の重量・ANCオン時のバッテリー時間は発表時のPHILE WEBとAV Watchの記事、マルチポイント対応とケース重量はFone Arenaの発表記事で補足しています。AirPods Pro 3は発売時39,800円でしたが、現在のApple公式ストア価格は42,800円です。量販店や通販サイトの実売価格は時期によって変動します。
各項目の詳細比較
デザイン・装着感・防水性能の違い
Nothing Ear (3)は、ブランドの特徴であるシースルー(透明パーツ)デザインを継承しつつ、ケースにリサイクルアルミニウムを採用した点が前作からの大きな変化です。カラーはホワイトとブラックの2色。ケースにはスーパーマイクを起動するためのTALKボタンがあり、ケースそのものが通話用の道具を兼ねる設計になっています。その分ケースは重く、ケース単体で約61gと、AirPods Pro 3のケース(約43.99g)より約17g重い点は持ち運びの際に意識しておきたいところです。
AirPods Pro 3は、ステム付きの白一色というAirPods Proシリーズのデザインを踏襲しています。イヤーチップはシリコンの内側にフォーム素材を組み合わせた構造で、XXSを加えた5サイズ展開。耳の小さい人でもサイズを合わせやすい構成です。ケースには超広帯域チップとスピーカーが入っており、iPhoneの「探す」で置き忘れたケースの場所を絞り込めます。
防水・防塵性能はIP54のNothing Ear (3)に対し、AirPods Pro 3はIP57です。IP57は一時的な水没にも耐える等級で、汗や雨を超えて水回りでの使用に備えたい人にはAirPods Pro 3のほうが安心材料が多いといえます。ランニングやジムなど運動中に使う機会が多いなら、この差は小さくありません。
ノイズキャンセリングと通話品質
ノイズキャンセリングは、Nothing Ear (3)が「最大45dB」のアダプティブANC、AirPods Pro 3が「AirPods Pro 2比で最大2倍」と、両社で表記の仕方が異なります。公表値の物差しがそろっていないため、数値だけでどちらが強いと断定することはできません。どちらもカナル型で周囲の騒音に合わせて効き具合を自動調整する方式なので、通勤電車や機内での利用には両機とも対応できる設計です。
明確に方向性が異なるのは通話です。Nothing Ear (3)は、片耳3基のマイクと骨伝導の振動を検知するボイスピックアップユニットに加え、充電ケースにデュアルマイクの「スーパーマイク」を搭載しました。ケースのTALKボタンを押し、ケースを口元に近づけて話すと、最大95dBの雑音低減が働く仕組みです。騒がしい屋外での通話や、ボイスメモを多用する人にとっては他機種にない選択肢になります。ただしケースを手に持って話す使い方になるため、ハンズフリーで通話したい場面では通常のイヤホン側マイクを使うことになります。
AirPods Pro 3はデュアルビームフォーミングマイクと内向きマイクによる構成で、ケースを使った通話機能はありません。そのかわり、適応型オーディオや外部音取り込み、会話感知といった、周囲の状況に合わせて音を自動で切り替える機能がiPhoneとの組み合わせで使えます。
音質・コーデックとスマホ連携
音質面のスペック差は、対応コーデックに表れます。Nothing Ear (3)はLDACに対応し、対応するAndroidスマホと組み合わせれば24bitのハイレゾ相当のワイヤレス再生が可能です。12mmのダイナミックドライバーは前作から刷新され、Nothing Xアプリでは8バンドのイコライザーや聴力テストに基づく音質調整も用意されています。音の好みを数値で細かく追い込みたい人に向いた構成です。
AirPods Pro 3はLDACには対応しておらず、iPhoneとの組み合わせではAACでの再生が中心です。その一方で、頭の動きに合わせて音の定位を変えるパーソナライズ空間オーディオに対応し、Apple MusicやApple TVなどの対応コンテンツで立体的な音場を楽しめます。数値上の伝送品質より、映像コンテンツでの臨場感を重視する人にはこちらの強みが効いてきます。
スマホ連携は使っている端末で評価が逆転します。AirPods Pro 3は、ケースを開けるだけのペアリング、同じApple Accountの端末間での自動切り替え、Apple Intelligence対応iPhoneと組み合わせたライブ翻訳(iOS 26以降、対応言語・地域は限定)、ワークアウト中の心拍数計測など、iPhoneで使ってこそ活きる機能が中心です。Androidでも基本的な再生や通話はできますが、これらの機能の多くは利用できません。Nothing Ear (3)はAndroid・iPhoneのどちらでもNothing Xアプリで設定でき、2台同時接続のマルチポイントにも対応しています。ただしiPhoneではLDACが使えないため、iPhoneユーザーにとっては音質面の利点が小さくなります。
バッテリーと充電
ANCオン時のイヤホン単体の再生時間は、Nothing Ear (3)が最大5.5時間、AirPods Pro 3が最大8時間です。ノイズキャンセリングを常時使う前提なら、1回の充電で長く使えるのはAirPods Pro 3で、長距離フライトや1日中の作業での連続使用ではこの2.5時間の差が効きます。ケース併用の合計時間(ANCオン)は22時間と24時間で大きな差はありません。
Nothing Ear (3)はANCをオフにすれば単体で最大10時間、ケース併用で最大38時間まで伸び、静かな環境で使う時間が長い人には余裕のある数値です。また10分の充電で最長10時間再生できる急速充電を備えており、出かける前の短時間の充電で取り戻せる時間が長い点も特徴です(AirPods Pro 3は5分の充電で約1時間)。
充電方式はどちらもUSB-Cとワイヤレス充電に対応します。AirPods Pro 3はMagSafe充電器やApple Watchの充電器も使えるため、iPhoneやApple Watchの充電環境をすでに持っている人は充電器を共用できます。
価格とコスパの比較
公式価格はNothing Ear (3)が25,800円、AirPods Pro 3が42,800円で、差額は17,000円です。AirPods Pro 3は発売時の39,800円から現在の42,800円へ価格が改定されており、価格差は発売当初より広がっています。
Nothing Ear (3)の価格には、LDAC、最大45dBのANC、ケースのスーパーマイク、マルチポイント、ワイヤレス充電が含まれます。Androidスマホで使う場合、オーディオ機能と通話機能に絞れば、AirPods Pro 3より低い価格で主要な項目をそろえており、価格あたりの機能量で見ると有利です。
AirPods Pro 3の価格差は、IP57の防水性能、心拍数センサー、ライブ翻訳、超広帯域チップによる「探す」、Apple製品間の自動切り替えといった、iPhone環境で使う機能に対して払うものです。iPhoneやApple Watchをすでに使っていてこれらの機能を日常的に使う見込みがあるなら、差額に見合う価値を見いだしやすいでしょう。反対に音楽再生と通話が中心なら、Nothing Ear (3)で十分と判断できるケースも多いはずです。
用途別おすすめ
Nothing Ear (3)がおすすめな人
- Androidスマホを使っていて、LDACによるハイレゾ相当のワイヤレス再生を楽しみたい人
- 騒がしい場所での通話やボイスメモが多く、ケースのスーパーマイクを活用したい人
- AirPods Pro 3より17,000円安い価格で、ANC・ワイヤレス充電・マルチポイントをそろえたい人
- ANCをオフにする時間が長く、ケース併用で最大38時間の再生時間を重視する人
- シースルーデザインとアルミケースの外観が好みの人
AirPods Pro 3がおすすめな人
- iPhone・Mac・Apple Watchなど複数のApple製品を使っていて、自動切り替えや「探す」を重視する人
- ランニングやジムで使う機会が多く、IP57の防水性能や心拍数計測を活かしたい人
- ANCオンのままイヤホン単体で長く使いたい人(最大8時間)
- ライブ翻訳やパーソナライズ空間オーディオなど、iPhoneと組み合わせて使う機能に価値を感じる人
- 耳が小さめで、XXSを含む5サイズのイヤーチップから合うものを選びたい人
メリット・デメリット比較
| Nothing Ear (3) | AirPods Pro 3 | |
|---|---|---|
| メリット | LDAC対応でAndroidではハイレゾ相当の再生が可能/ケースのスーパーマイク(最大95dBの雑音低減)で通話に強い/公式価格25,800円でワイヤレス充電・マルチポイントにも対応 | IP57でイヤホン・ケースともに防水性能が高い/ANCオン時の単体再生が最大8時間/心拍数センサー・ライブ翻訳・「探す」などiPhone連携機能が豊富 |
| デメリット | ANCオン時の単体再生は最大5.5時間と短め/防水はIP54でAirPods Pro 3より低い/ケースが約61gでAirPods Pro 3より約17g重い/iPhoneではLDACが使えない | 公式価格42,800円で差額は17,000円/LDAC非対応/Androidでは多くの独自機能が使えない |
どちらの短所も、使う端末と使い方次第で影響の大きさが変わります。Nothing Ear (3)の再生時間の短さは、ANCを常時オンにする人ほど影響が出ます。AirPods Pro 3の独自機能は、iPhoneを使っていない場合は価格に対して得られるものが少なくなります。
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まとめ
Nothing Ear (3)とAirPods Pro 3は、どちらもカナル型・ANC搭載のフラッグシップですが、価格の使い道が異なります。Nothing Ear (3)はLDACとケースのスーパーマイクという「音と通話」に機能を寄せ、25,800円に収めた一台です。AirPods Pro 3はIP57、心拍数センサー、ライブ翻訳、超広帯域チップといった「iPhoneと組み合わせて使う機能」を積み上げた結果、42,800円になっています。
向いている人を整理すると、Androidスマホでハイレゾ相当の再生や通話品質を重視し、コストを抑えたい人はNothing Ear (3)が合います。iPhoneを中心にApple製品を使い、運動中の利用や防水性能、ANCオンでの長い再生時間を求める人はAirPods Pro 3が合います。一方、iPhoneユーザーで予算を抑えたい人は、ノイズキャンセリング付きのAirPods 4との比較も、Nothingの音作りを安く試したい人はNothing Ear (3a)とAirPods 4の比較も検討するとよいでしょう。
Nothing Ear (3)を選ぶべき場合: Androidスマホで使い、LDACの音質とケースのスーパーマイクによる通話を、AirPods Pro 3より17,000円低い価格で手に入れたい人。
AirPods Pro 3を選ぶべき場合: iPhoneやApple Watchを使っていて、IP57の防水性能・心拍数計測・ライブ翻訳など、Apple製品との連携機能を日常的に使いたい人。
どちらも完成度の高い完全ワイヤレスイヤホンですが、「手持ちのスマホがAndroidかiPhoneか」と「17,000円の差額で何を得たいか」を基準に選べば、自分に合う一台を絞り込めます。
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