タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD (Model A078)は、タムロンが2026年2月のCP+2026にて発表したフルサイズ対応の大口径標準ズームレンズで、ポートレート撮影で使用頻度の高い焦点距離35mm〜100mmをF2.8通しでカバーするコンパクトなレンズです。
前作の35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)から、ズームレンジを35-100mmに絞り込むことで、質量を1,165gから565gへと約半分に軽量化し、全長も158mmから119.2mmへと大幅にコンパクト化を実現しています。
本記事では、タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXDの基本スペック、前作35-150mm F/2-2.8との違い、主な特徴、メリット・デメリット、ユーザー評価まで詳しく解説していきます。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 焦点距離 | 35-100mm |
| 開放F値 | F/2.8(ズーム全域) |
| 最小絞り | F/22 |
| レンズ構成 | 13群15枚 |
| 特殊レンズ | 非球面レンズ2枚、LD(低分散)非球面レンズ1枚、LDレンズ1枚、XLDレンズ1枚 |
| 最短撮影距離 | 0.22m(広角端)/ 0.65m(望遠端) |
| 最大撮影倍率 | 1:3.3(広角端)/ 1:5.9(望遠端) |
| 絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
| フィルター径 | 67mm |
| 最大径 | 80.6mm |
| 全長 | 119.2mm(ソニーE)/ 121.5mm(ニコンZ) |
| 重量 | 565g(ソニーE)/ 575g(ニコンZ) |
| AF駆動 | VXD(リニアモーターフォーカス機構) |
| 対応マウント | ソニーEマウント / ニコンZマウント |
| 防滴構造 | 対応 |
| フッ素コーティング | 前玉に対応 |
| 価格 | 173,800円(ソニーE)/ 178,200円(ニコンZ)(税込) |
| 項目 | 35-100mm F/2.8 (A078) | 35-150mm F/2-2.8 (A058) |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 35-100mm | 35-150mm |
| 開放F値 | F/2.8通し | F/2-2.8 |
| レンズ構成 | 13群15枚 | 15群21枚 |
| 最短撮影距離(広角端) | 0.22m | 0.33m |
| 最短撮影距離(望遠端) | 0.65m | 0.85m |
| 最大撮影倍率(広角端) | 1:3.3 | 1:5.7 |
| フィルター径 | 67mm | 82mm |
| 最大径 | 80.6mm | 89.2mm |
| 全長 | 119.2mm | 158mm |
| 重量 | 565g | 1,165g |
| 価格 | 173,800円(税込) | 約199,800円(税込) |
最も大きな進化は、質量が1,165gから565gへと約半分に軽量化されたこと、広角端の最短撮影距離が0.33mから0.22mに短縮されたこと、そしてフィルター径が82mmから67mmへ小型化されタムロンの他レンズとフィルターを共用できるようになったことです。ズームレンジを35-100mmに絞ったことで、ポートレートに必要な焦点距離を維持しながら、日常的に持ち出せるサイズ感を実現しました。
F2.8通しのズームレンズとしては驚異的な565g(ソニーEマウント用)という軽さを実現しています。一般的な24-70mm F2.8クラスのレンズよりも軽量で、長時間のポートレート撮影でも腕や首への負担を大幅に軽減します。
コンパクトな機材はモデルやクライアントにリラックスした雰囲気を与えやすく、自然な表情を引き出す効果も期待できます。
35mm・50mm・85mm・100mmという、ポートレート撮影で特に使用頻度の高い4つの焦点距離を1本でカバーしています。全域でF2.8の明るさを維持するため、屋内やイベントなどの低照度環境でも安定した撮影が可能です。
85〜100mm域ではF2.8の浅い被写界深度により、被写体を背景から美しく浮かび上がらせる表現ができます。
レビューでは「ズーム全域で開放から一貫してハイクオリティ」と評価されており、35mmから100mmまで中央解像度は開放F2.8から優れたシャープネスを発揮します。
非球面レンズ2枚、LD非球面レンズ1枚、LDレンズ1枚、XLDレンズ1枚の特殊レンズを採用した13群15枚の光学設計により、色収差を抑えたクリアな描写を実現しています。タムロンらしい柔らかさや優しい色合いの表現も特徴です。
広角端での最短撮影距離は0.22mと非常に短く、前作の0.33mから大幅に短縮されました。最大撮影倍率は広角端で1:3.3を実現しており、テーブルフォトや小物撮影にも対応できます。
料理撮影やアクセサリー撮影など、ポートレート以外のシーンでも活躍する万能性を備えています。
リニアモーターフォーカス機構VXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)を搭載し、高速かつ正確なオートフォーカスを実現しています。駆動音が極めて静かなため、動画撮影時にモーター音が録音される心配がありません。
ストリートポートレートや低照度環境下での撮影でもスムーズにフォーカスが追従し、決定的な瞬間を逃しません。
フィルター径67mmは、タムロンの多くのレンズと共通のサイズです。NDフィルターやPLフィルターなどのフィルター資産を複数のレンズ間で使い回すことができ、機材コストの削減にもつながります。
前作の82mmフィルターと比較して小型・軽量なフィルターで済むため、荷物の軽量化にも貢献します。
レンズ各所にシーリングを施した防滴構造を採用しており、突然の雨や霧の中でも安心して撮影を続けられます。前玉にはフッ素コーティングが施されており、水滴や指紋が付着しにくく、汚れも簡単に拭き取ることができます。
屋外でのロケ撮影やイベント撮影など、天候を選ばない撮影スタイルをサポートします。
565gという軽さは、同クラスの大口径ズームレンズの中でも際立っています。一日中首からカメラを下げていても負担が少なく、旅行やスナップ撮影での持ち出しやすさは大きなメリットです。
35〜100mmの焦点距離はポートレートの王道とも言える画角で、全身・バストアップ・寄りの表情まで、レンズ交換なしで対応できます。現場でのレンズ交換の手間が省け、撮影テンポを落とさずに済みます。
開放F2.8から中央部を中心に高い解像度を発揮するため、明るさを優先したいシーンでも画質の妥協が不要です。ズーム全域で安定した画質は、プロの現場でも信頼して使える品質です。
最短撮影距離0.22mにより、テーブルフォトや物撮りにも対応できます。ポートレートレンズとしてだけでなく、日常のさまざまなシーンで活用できる汎用性の高さがあります。
タムロンの他のレンズとフィルター径を統一できるため、フィルターを買い揃える必要がなく、経済的です。82mmフィルターと比べて価格も抑えられます。
VXDリニアモーターの静音性により、動画撮影でもAF音を気にする必要がありません。ポートレートムービーやVlog撮影にも安心して使用できます。
前作A058の実勢価格約199,800円に対し、A078は173,800円(ソニーE)と約2.6万円安く、大口径ズームの導入ハードルが下がっています。
前作の150mmと比べると望遠端が100mmに制限されるため、背景の圧縮効果やボケ量はやや控えめになります。150mmの大きなボケを重視するポートレート撮影では、物足りなさを感じる場合があります。
広角端が35mmのため、室内の全景や風景撮影では画角が足りないと感じる場面があります。28mmや24mmをカバーする標準ズームと比較すると、広角側の汎用性は限定的です。
レンズ内手ブレ補正は搭載されておらず、カメラボディのIBIS(ボディ内手ブレ補正)に頼る必要があります。IBIS非搭載のカメラでは、望遠端100mm付近での手持ち撮影時にシャッタースピードの確保が求められます。
望遠端100mmでの最大撮影倍率は1:5.9と控えめで、100mm域でのマクロ的な撮影には不向きです。広角端の1:3.3は優秀ですが、望遠端で被写体を大きく写したい場面ではマクロレンズの併用が必要になります。
現時点ではソニーEマウント用とニコンZマウント用のみがラインナップされており、キヤノンRFマウントユーザーは使用できません。キヤノンユーザーにとっては選択肢に入らない点がデメリットです。
レビューサイトや写真メディアのハンズオンレビューをもとに、ユーザーや評論家の評価傾向をまとめました。
最も多く評価されているのは、F2.8通しズームとしての圧倒的な軽さです。「565gは驚異的」「レンズ交換したくない日ならこれ1本で済む」「一日中持ち歩いても疲れない」という声が多数見られます。
描写性能に関しても高い評価を得ており、「ズーム全域で開放から一貫してハイクオリティ」「タムロンらしい柔らかく優しい色合い」「肌の質感がきれいに出る」と、ポートレートレンズとしての画質を絶賛する声が目立ちます。
AF性能についても「VXDは迅速かつ静か」「ストリートポートレートでも快適」と好評です。広角端0.22mの最短撮影距離も「テーブルフォトにも使える」「表現の幅が広がった」と評価されています。
望遠端が100mmに制限されることに対し、「150mmのボケが必要な仕事には物足りない」「結局もう1本望遠レンズが必要になる」という指摘があります。前作35-150mmユーザーからは「買い替えではなく買い足し」という判断をする声も見られます。
広角端35mmについて、「室内撮影では少し狭い」「28mmが欲しくなる場面がある」との声もあります。また、「IBIS非搭載カメラでは望遠端で手ブレが気になる」という指摘も一部見られます。
価格については、「F2.8通しズームとしては買いやすい」と好意的な声がある一方、「純正24-70mmや28-75mmとの棲み分けが悩ましい」という声もあります。
タムロン 35-100mm F/2.8 Di III VXD (Model A078)は、ポートレート撮影で使用頻度の高い35〜100mmの焦点距離をF2.8通しでカバーしながら、565gという驚異的な軽さを実現したコンパクトな大口径ズームレンズです。前作35-150mm F/2-2.8 (A058)から約半分の重量に軽量化されています。
ズーム全域で開放から高画質な描写、VXDリニアモーターによる高速・静音AF、広角端0.22mの最短撮影距離、67mmフィルター径によるフィルター共用の利便性など、実用性の高いメリットが多数あります。
望遠端が100mmに制限されること、手ブレ補正非搭載であることなどの注意点はありますが、総合的には軽量性と画質を高次元で両立したポートレートズームレンズとして完成度の高い1本です。
特に、軽量なF2.8ズームを求めるポートレート撮影者、イベントや旅行で1本で済ませたい方、そしてこれからF2.8ズームを導入する方におすすめです。
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